事業及び財務情報

》平成26年度事業報告(平成29年4月1日より平成30年3月31日まで)


■現況
平成26年度に於ける連盟は、公益社団法人としての活動5年目となった。
不景気また消費税等の値上がりで景気に陰りのあるなかで活動して来た弊連盟は順調に事業を遂行でき、良好な状況下で平成26年度の事業が終わった。
弊連盟の運営結果は、「ギター音楽の可能性を求めた研究と演奏会を展開し、ギター音楽の普及を図る」公1事業収益1,725千円、同事業経費1,310千円。「ギタリスト育成において行うコンクール及び講習会の推進」公2事業収益6,451千円、同事業経費7,699千円となり公1の収益を廻しても公2事業が赤字となった。

1.事業の概況

1.「ギター音楽の可能性を求めた研究と演奏会を展開し、ギター音楽の普及を図る」事業(1,310千円)

(1)ギターガラコンサート
 スプリングコンサートの開催を予定していたが、夏になったため名称を変更「ギターガラコンサートin東京2014」と銘打ち7月10日五反田文化センター音楽ホールで実施。200名弱の聴衆を集め、おおむね成功となった。
第 1 部
宇賀神昭:アルハンブラ宮殿の思い出/F.タレガ
大島直:ギター讃歌/E.S.デ・ラ・マーサ
酒井良祥:名もないワルツ/B.パウエル
ピシャイム/M.ぺレイラ
富川勝智:ルモラーダ/P.マドリーラ
光のないエチュード/A.セゴヴィア
マリア・デュオ:(藤森洋子、菅原しのぶ)
ギターでじょんがら/吉田峯男  
コーヒー・ルンバ/J.マンソ
ギター・トリオ(宮下祥子&坪川真理子&河野智美):エルチョクロ/A.ビジョルド 平佐修編曲、ビー玉遊びのバイヨン/P.べリナティ
坂野直人:ワルツ・ファボリーテ/N.コスト
堀井義則:想い出/S.アサド
第 2 部
柴崎建司:エンデチャ・オレムス/F.ターレガ、アラビア風奇想曲/F.ターレガ
建孝三: バーデンジャズ組曲/J.イルマル
フリーバーズ(伊東福雄、篠原正志): 組曲「森の聲」よりナイト・バード・ぼるどういん/井上勝仁
ギター・デュオ(柴田健、福山敦子):ワルツ〜仮面舞踏会/A.ハチャトリアン、ソナタK.141/L.422「トッカータ」/D.スカルラッティ
渋谷環:大聖堂 全曲/A.バリオス
荘村清志:歌と舞曲第1番/R.ピポー

(2)若いギタリストによるコンサート 
 連盟における次代を担う若いギタリストの活躍できる場を設け、我が国のギター音楽界の活性化になると同時に、将来ギタリストとして活躍を希望している次の若者にとって一つの目標となるコンサートとして今年も実施された。今年は、「ホワイトデーイブギターコンサート」と銘打ち大雪の中3月13日、銀座ヤマハホールにて実施。(入場者数143名)
カルテット[富川勝智 大島 直 酒井良祥 池田慎司]
<ブラジルの水彩画>アリー・バローゾ
<主よ人の望みの喜びよ>ヨハン・ゼバスティアン・バッハ
濱田 圭<告白のロマンス>アグスティン・バリオス
宮下祥子<愛の歌> 作曲:ヨハン・ガスパール・メルツ
デュオ[一星 有希 藤澤和志]<亜麻色の髪の乙女>クロード・ドビュッシー
<ジュ・トゥ・ブ>エリック・サティ
デュオ[酒井良祥 池田慎司]<想いの届く日>カルロス・ガルデル、<モリエンド・カフェ>ホセ・マンソ・ペローニ
富川勝智<しおれた心>マヌエル・マリア・ポンセ
トリオ[坪川真理子 多治川純一 宮下祥子]
<火祭りの踊り><粉屋の踊り>マヌエル・デ・ファリャ
合奏<マーチ><花のワルツ>ピョートル・チャイコフスキー
池田慎司 一星有希 大島 直 酒井良祥 角 圭司 多治川潤一富川勝智 坪川真理子 濱田 圭 藤澤和志 宮下祥子 
司会:坂場圭介、尾野桂子

2.「ギタリスト育成において行うコンクール及び講習会の推進」事業(7,699千円)
新進芸術家ギタリストの響演
 新進芸術家ギタリストの響演は、4つのコンサートが組まれた。(1)音楽大学ギター科在籍者によるコンサート、(2)若きギタリストによるコンサート、第57回東京国際ギターコンクール、前年度東京国際ギターコンクール優勝者マルコ・トプチーによるコンサートツアー。新進芸術家ギタリストの響演は、若い世代に音楽を表現して貰い、将来、良い演奏家となるきっかけを与える演奏の場を設け、才能ある音楽家の育成を目的としている事業。我が国の音楽界に独奏楽器ギターの位置づけをしっかりと持って、参加者の研鑽の場とし、連盟が支援できる範囲で実施する事業。この4公演をまとめて「新進芸術家ギタリストの響演」と銘打って実施した。
(1)音楽大学ギター科在籍者及び若きギタリストによるコンサート
11月20日(木) 7:00pm開演 東京銀座/ヤマハホール
プログラム
渡邊 茜/桐朋学園芸術短期大学専攻科
ノクターン 夢/J.レゴンディ、オーバー・ザ・レインボー/H.アーレン武満徹編、命の証より第3楽章「落葉する時間」/H.バスケス、主題と変奏と終曲/M.M.ポンセ
◆ プログラムのこと
メリハリのあるプログラムにしたいと思い、また、作曲家の偏りがないように、色々な時代の曲を選択しました。バスケスの現代曲はなかなか演奏される機会が少なく、プログラムの間に挟み込むことでより一層メリハリをつけることができると考えました。
山田 唯雄/東京音楽大学
ノクターナル/B.ブリテン
◆ プログラムのこと
1つの曲目だけで演奏したいと思い、この曲を選びました。
藤原 盛企(大阪府)
英雄ソナタ/M.ジュリアーニ、シエロ・アルビエト/Q.シネシ、タランテラ/M.C=テデスコ
(3)第57回東京国際ギターコンクール
・第1次予選 8月18日(月) テープ審査
・第2次予選 12月6日(土)11:00から 白寿ホール
・本   選12月7日(日)13:00から 白寿ホール
・募集参加者 18名 申込は、7月31日で閉め切られた。
3段階を経て入賞者を決める従来通りにて実施されたコンクール。第1次予選は課題曲主題と変奏op.15c(No.4)/F .ソル、アラベスク(練習曲No.4)/A.バリオス・マンゴレを各参加者が演奏を録音し、それを申し込みと同時に提出。非公開(審査委員5名、連盟正会員ギタリスト)にて実施、参加者18名(内、昨年入賞者で第1次予選免除1名)でその演奏内容により優劣を諮り第2次予選参加者(12名)を選択した。第2次予選は課題曲リュート組曲No.4 BWV1006aよりプレリュード、ルール、ジーグ/J.S.バッハ(前半のみ繰り返しあり)、自由曲8分以内のプログラム。ただし、第1次予選、本選と重複しない曲を各国より参加者が日本へ参集し、演奏会形式によって行った。第2次予選の審査員は8名、本連盟正会員ギタリストが行った。最終審査会は、参加者を6名選択し、課題曲「古代日本旋法による 踏歌、箜篌歌、ギターのためのトッカータ」より箜篌歌/伊福部昭(全音楽譜出版)、自由曲をそれぞれ三つの時代を満たしたプログラム。自由曲の正味演奏時間は20分以上30分以内。ただし、第1次予選、第2次予選と重複しない曲とし、(1)ルネッサンス、バロック期の作品、(2)1750年頃より1920年頃の作品、(3)1920年頃以降の作品演奏により行った。結果は、第1位から第6位までを決めた。最終本選審査員は、梅津時比古(桐朋学園学長・評論)、斉藤雅樹(ピアノ)、磯良男(ヴィオラ)諸氏と、小原聖子、兼古隆雄、荘村清志、福田進一(以上4名・連盟正会員のギタリスト)を加えて行った。
【結果】
第1位 Thomas CSABA(France)
無伴奏ヴァイオリンソナタ第2番よりアレグロ/J.S.バッハ ドビュッシーの墓に捧げる讃歌/M. デ・ファリャ ミュージック・オブ・メモリー/N.モー第2位 Xavier JARA(USA)
ソナタ K.380 K.53/D.スカルラッティ ファンタジア/J. ダウランド カタルーニャ/I.アルベニス トッカータ/J.ロドリーゴ
第3位 小暮 浩史
組曲ト長調/R.de=ヴィゼー 演奏会用ロンド/N.コスト 円柱の都市/L.ブローウェル 
第4位 小暮浩史
課題曲 ファンタジア/J. ダウランド、ファンションの主題による変奏曲/M.ジュリアーニ、円柱の都市/L.ブローウェル 
第5位 斎藤 優貴
無伴奏ヴァイオリンソナタ第3番よりフーガ/J.S.バッハ スケルツォ・ワルツ/M.リョベート 5つのバガテル/W. ウォルトン
第6位 山田 大輔
無伴奏ヴァイオリンソナタ第3番よりラルゴ、アレグロ・アッサイ/J.S.バッハ アンダンテ Op.39/N.コスト ロンド Op.129/M.C=テデスコ セギディーリャ/I.アルベニス

(4)第57回東京国際ギターコンクール開催記念コンサート
 全年度実施の第56回東京国際ギターコンクール優勝者マルコ・トプチギターリサイタル/12月7日(土) 18:30から、白寿ホールにて、第57回東京国際ギターコンクール第2次予選と本選の間の夜間に開催した。さらに、このコンサートは、日本各地にギター演奏の技術、音楽性およびコンサートギタリストにふさわしい若者として派遣し、正会員はもとより広く我が国のギタリストに指導指針の確立と、また、これから巣立とうとしている若いギタリストたちに刺激となり、手本となった。内容は、ソロコンサート。連盟正会員(5会場)及びヤマハ株式会社(3会場)の協力を得て各地、上記を除き約8カ所で実施。各地での評判もよく盛会に終わった。入場者稼働は、900名におよんだ。
◆国内ツアー
兵庫県■11月24日(祝) 5:00pm開演 於:ヤマハミュージック神戸店3Fサロン 前売2,000円 当日2,500円、主催/ヤマハミュージックリテイリング神戸店、問/078-391-7652(担当・浦谷)
神奈川県■11月27日(木)7:15pm開演 於:鎌倉芸術館3F集会室、入場料2,000円 主催/宇賀神ギター教室、問/0467-45-7703(宇賀神)
静岡県■11月29日(土) 7:00pm開演 於:沼津市民文化センター2F大会議室 前売2,000円、当日2,500円、主催/松本ギター教室 問/055-963-8071(松本)
茨城県■11月30日(日) 3:05pm開演 於:古河福祉の森会館「視聴覚室」入場券3,000円、主催/山中ギター音楽院 問/0280-31-1288(山中)
宮城県■12月1日(月) 6:30pm開演 於:ヤマハミュージック仙台店6Fコンサートルーム 前売2,000円 当日2,500円、主催/ヤマハミュージックリテイリング仙台店、問/022-227-8516(担当・関口)
長崎県■12月4日(木)6:45pm開演 於:長崎歴史文化博物館ホール 前売3,000円 当日3,500円、主催/連盟九州地方本部 問/095-825-8165(益田)
東京都■12月6日(土) 6:30pm開演 於:Hakuju Hall、前売3,000円 当日3,500円(HAKUJU HALLで取扱中)、主催/連盟 問/03-3438-1819
特別共催/Hakuju Hall・(株)白寿生科学研究所
東京都■12月11日(水) ヤマハホール コンサート・シリーズ Rising Artists Concert Vol.5 〜コンクールを制した新星たち〜 7:00pm開演 於:銀座ヤマハホール、入場料2,000円 問/ヤマハ銀座ビルインフォメーション03-3572-3171(11:00〜19:30/第2火曜定休)
略歴/1991年、キエフ(ウクライナ)の音楽一家に生まれる。4才よりV.HomenyukとB.Belskiyの下でギターを始める。2011年、Kotlyarevsky芸術国立大学でV.Dotsenkoに師事し、優秀な成績で卒業。現在、チャイコフスキー国立音楽大学大学院でY.Alexikの下で研鑽を積んでいる。これまでに、M.Dylla、T.Chagnot、C.Marchione、J.Perroy、A.Desiderio、E.Galuzevskaya、Y.Fomin、N.Marunich、D.Russel、L.Micheli、E.Fiskのマスタークラスを受講。2002年より挑戦した20余の国際ギターコンクールでファイナリストとなる。昨年第56回東京国際ギターコンクール優勝。2009年ウクライナ交響楽団とともにリサイタルを行い、この高評価をきっかけに以後ウクライナ交響楽団との共演が続いている。山下和仁氏編曲のムソルグスキー「展覧会の絵」に挑戦し、レパートリーに取り入れ、ウクライナはもとより、イタリア、スペイン、ドイツ、フランス、インド、チェコ共和国、ハンガリー、ルーマニアなどで絶賛された。
使用ギターはK-H.Roemmich.
プログラム
◆全国ツアープログラム
森に夢見る/A.バリオス・マンゴレ、ヴェニスの謝肉祭/F.タレガ、最後のトレモロ/A.バリオス・マンゴレ、大聖堂/A.バリオス・マンゴレ、悪魔の奇想曲/M.カステルヌオーボ=テデスコ 、組曲「展覧会の絵」/M.P.ムソルグスキー
◆特別プログラム
12月11日
悪魔の奇想曲/M.カステルヌオーボ=テデスコ 、大聖堂/A.バリオス・マンゴレ、アルハンブラの思い出/F.タレガ
 人材育成を掲げ、進めている4つの事業は、当初の意図、目的に沿って実施された。
 2日間で延べ600人超の入場者があった。(内訳 第2次予選 243名 記念コンサート 185名 本選 295名

(3)第8回ギター大好きみんな集まれギターコンペティション
・地方大会 15年1月中に実施
・全国大会 15年3月21日 ヤマハホールにて実施
・参加募集 213名(全国大会56名)
 これは、ギター愛好家が参加できる催し物として、我が国内ギターファンの活性化に必要と見て開催。主旨として、国内のギター音楽ファンの増加、全国のギターファンの底辺層の育成と、的確な指導体系を目標としている。さらにそれに付随してギター界の興隆をも促す事業。これらの主旨を満足させられる事業となった。
 地方大会を設け、全国の支部もしくは各担当役員によって全国10カ所(下記)にて開催予定し、各地方単位の部門にて金賞受賞者を一同に会し、全国大会を行った。
■地区大会(1月の期間中)
・全国を北から北海道地方本部主催、東北、東京北関東甲州、神奈川県、北陸、信越、中部、関西、中国四国、九州地区に分け、それぞれの地にて地区大会を開催。賞として、金、銀、銅各賞及び特別賞を置いた。
・各地の金賞受賞者が全国大会へと進むことができる。
■全国大会
・時/会場 2015年3月21日、於: ヤマハホール(銀座)
■参加対象者(下記8部門)
・A-1 9才以下の部 ・A-2 10才〜12才の部
・B-13才〜16才迄の部 ・C-17才〜22才迄の部
・D-23才〜35才迄の部 ・E-35才〜50才迄の部
・F-51才〜65才迄の部 ・G-66才以上の部
■参加内容
・クラシックギターによるギターソロ演奏者を対象。
■参加課題曲
・地区大会 6分以内の曲、選曲は自由。
・全国大会 8分以内の自由曲プログラム。地区大会と同じ曲でも構わない。
■参加料/10,000円
■申込受付開始日/2014年8月1日より
以上実施要項より
(C)第1回オールジャパンギターコンクール第1次予選
全事業第8回ギター大好きみんな集まれギターコンペティションと同時進行で実施。これは、東京国際ギターコンクールのレベルが上がりあまりにも邦人の挑戦が少なくなったことを憂いて実施する運びとなった。底辺、裾野を広く、参加し易い状態を保ち、そのなかで若者を育てて行こうということが趣旨だ。募集を8月からスタートし、応募者14名を得た。第1次予選課題曲は、14の嬉遊曲op.51よりNo.7メヌエット/N .コスト。第2次予選、本選は、次年度4月19日に実施。

3.ギター演奏技術向上のための事業
(1)ギター講習会
イ.正会員による講習会
 会員各位による地域別講習会の開催。各地にて公共及び民間の館を利用し、少人数から講習をした。所定のクラスを修了した者に連盟発行の認定書の発行を行った。講習会においてグレード認定証を申請し取得した場合、取得金の70%を講習運営助成金として交付した。
ロ.年4回の一般公募を行う。
 随時募集し、録音での応募とした。その寄せられた録音を基に、グレード実行委員が聴き、合否を決めた。また、将来の指針となるコメントを添えて応募者にレンッスンを行う。これは、ギター音楽教育が正しく行われるよう通教室生ではない一般のギターファンに向けて発信。よりよい教育を受けて貰うことが目的とし、好評である。
(3)ユベントスによる講習会
「ギター史・和声学ワークショップ」 〜ギタリスト・愛好家のための音楽塾〜
2ヶ月に1回で5回にわたって実施した。参加数20名前後あり、おおむね好評に終わった。

4.その他事業
(1)各地区演奏会の後援
(2)各地方本部主催事業
現在、九州及び北海道にて実施中。
■北海道地方本部の事業
・ギターの祭典2014の開催
・ギターフェスティバル2014の開催
・「第8回ギター大好きみんな集まれギターコンペティション」及び『第一回オールジャパンギターコンクール第1次予選」北海道大会
■九州地方本部の事業
・12月東京国際ギターコンクール優勝者コンサートの開催
・「第8回ギター大好きみんな集まれギターコンペティション」及び『第一回オールジャパンギターコンクール第1次予選」九州大会
(3)事業の資料作成
 東京国際ギターコンクールイベントの録音。



平成26年度財務諸表損益計算書正味財産計算書貸借対照表財産目録